昔、投稿天国でかな〜りマニアな競馬コラムを書いて、 かな〜りマニアな人のみにウケていた、『競馬のけ』の作者、“みやっち”。 そのコラムを通じて知り合うことになり、毎晩のように競馬談義に花を咲かせる お好み焼き屋、“ぐっさん”。 二人の「福井の隠れ競馬ファンと知り合って、競馬のロマンについて語り合いたい」という、 たったそれだけの想いで始まったこのサイト「競馬鹿人生」。 今夜も ぐっさんの店で競馬談義が始まった!
とうとう「チーム一期一会」も開催! |
福井の競馬ファンに捧ぐ
“乱菊”を制し、とうとう3頭目のG1馬を輩出したダンスインザダーク。 |
いやいや、またまたダンスインザダーク産駒でしたね。
完全に盲点でした。いや、普通は来るはずないって思いますもん。
「岩田がいいんすよー!」と吠える、うちのチームの“つね”くらいなもんです、印打つのは(笑)。
だって前走は1000万条件ですよ。
そういえば、かつて前走は条件戦という馬がいましたね。
メジロマックイーン。でもこの名馬と比較してはいけません。
だってマックイーンは菊花賞までほぼ1番人気。それも菊花賞までの7戦で1着3回、2着3回、3着1回という好成績。
対してこの馬は菊花賞まで10戦して1着3回、2着2回、4着2回、5着1回、着外2回。初勝利まで6戦しています。
初戦こそ1600mでしたが、後は徹底して2000m以上。
デビューから長距離砲としての期待はずっとかけられていたようですね。
「3歳の間で一番長い距離を走れるならばどのレース?」と問えば、必ず菊花賞は挙げられるでしょう。
この馬にとって菊花賞こそ最高のパフォーマンスができたのかもしれません。
2004年、混迷を極めた菊花賞を勝ったデルタブルースの血統です。
デルタブルース | ダンスインザダーク | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
ダンシングキイ | Nijinsky | Northern Dancer | ||
Flaming Page | ||||
Key Partner | Key to the Mint | |||
Native Partner | ||||
Dixie Splash | Dixieland Band | Northern Dancer | Nearctic | |
Natalma | ||||
Mississippi Mud | Delta Judge | |||
Sand Buggy | ||||
Ocean Jewel | Alleged | Hoist the Flag | ||
Princess Pout | ||||
Lady Offshore | Sir Ivor | |||
Bonnie Google |
ダンスインザダークといえば、ダービーでフサイチコンコルドに足元をすくわれ、菊花賞で怒涛の鬼脚を見せたサンデーサイレンスの傑作。
母は1995年のオークス馬ダンスパートナーと同じダンシングキイ。
そして種牡馬になって、サンデーサイレンスの孫世代で初のG1馬、昨年の菊花賞馬ザッツザプレンティを出し、
今年の安田記念優勝馬、ツルマルボーイを出し、
そして3頭目のG1馬、デルタブルースを輩出しました。
ステイヤーからマイラーまでG1馬を出すという万能さ、
これでサンデー後継種牡馬争いに一歩リードした形になったわけです。
では、何故デルタブルースはステイヤーなのでしょう。
その前にツルマルボーイの血統表を見てみましょう。
ツルマルボーイ | ダンスインザダーク | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
ダンシングキイ | Nijinsky | Northern Dancer | ||
Flaming Page | ||||
Key Partner | Key to the Mint | |||
Native Partner | ||||
ツルマルガール | サッカーボーイ | ディクタス | Sanctus | |
Doronic | ||||
ダイナサッシュ | ノーザンテースト | |||
ロイヤルサッシュ | ||||
エプソムガール | アローエクスプレス | スパニッシュエクスプレス | ||
ソーダストリーム | ||||
ゲシー | ダイハード | |||
ジャヌワ |
母ツルマルガールは3歳の身ながらも果敢に古馬戦朝日チャレンジカップに出走し、見事優勝しています。
基本的に勝ち鞍を見ると中距離砲ですね。
サッカーボーイも1988年に最優秀スプリンターの称号を得ていますが、
基本的にマイラーではない、と思います。事実有馬記念を3着ですから。
2年連続で宝塚記念を2着、昨年の天皇賞・秋でも2着。
安田記念を勝ったからといって、=マイラーではないでしょう。
どちらかというと母系の影響が強いよううな気がします。
そしてもう1頭のG1馬、ザッツザプレンティを見てみましょう。
ザッツザプレンティ | ダンスインザダーク | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
ダンシングキイ | Nijinsky | Northern Dancer | ||
Flaming Page | ||||
Key Partner | Key to the Mint | |||
Native Partner | ||||
バブルプロスペクター | Miswaki | Mr.Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | ||||
Hopespringseternal | Buckpasser | |||
Rose Bower | ||||
バブルカンパニー | Lyphard | Northern Dancer | ||
Goofed | ||||
Prodice | Prominer | |||
Euridice |
Miswakiは基本的にマイラーでした。
が、種牡馬になるとまた逆転の現象を起こしたりするんです。
ジャパンカップ馬のマーベラスクラウン、仏G1凱旋門賞馬のUrban Sea、米G1ブリーダーズカップクラシックのBlack Tie Affairなど、
産駒はクラシック戦に強かったりします。
そして祖母のバブルカンパニーはあのバブルガムフェローの母。仏2000ギニー馬、キャンディストライプスから始まって、
仏G1クリテリウムドサンクルー馬、アンティミストを輩出。
良血といえば良血なんですよ、実際。
でも、バブルカンパニー産駒はどの種牡馬を付けても中距離までの馬しか出てきません。
つまり、ザッツが菊花賞を勝ったのは、父の影響が図らずとも強かったような気がします。
さて、では本馬デルタブルースはどうなのか。
母父のDixieland Bandは米G2(共に1800m)を2勝したくらいの平凡な競争成績。米3冠最終戦のベルモントS(ダート2400m)では14着と大敗を喫しています。
しかししかし、種牡馬となって出た仔が、今年の天皇賞馬イングランディーレも挑戦したアスコット金杯(芝4000m)を2度優勝したDrums Tap。
母母父のAllegedにしてみれば、凱旋門賞を2連覇というとてつもない馬。
どう考えてもこの血統ならば超ステイヤーが出てきてもおかしくない感じ、ですね。
となれば、母系の良さが開花した、ということになるのでしょうか。
で、考えてみました。
ダンスインザダーク産駒は母系と父系、どちらが強く出ると古馬戦線でも活躍できるのか。
他の馬を見てみました。
昨年の阪神大賞典馬で、天皇賞・春では1番人気まで押されたダイタクバートラム。
母はスプリングネヴァー。ダイタクリーヴァは半兄ですね。
ダイタクリーヴァ自身が父フジキセキになると中距離砲で、父ダンスになると長距離砲。
母系がサクラユタカオーやNever Beatなど短距離血統なので、確実に父系の影響が強いのでしょう。
2年前の菊花賞2着馬ファストタテヤマ。
母父はターゴワイス。1992年の天皇賞・秋馬、レッツゴーターキンの父ですね。外国では名牝All Alongの父でもあります。
外国ではクラシック戦線まで行く馬がいますが、日本では2000mが限界の模様。
祖母は1983年天皇賞・春馬、アンバーシャダイの全妹でもあります。
でもサクラバクシンオーの母サクラハゴロモの全姉でもありますしね……。
ターゴワイスの日本での血統評価を考えれば、やっぱり父系の影響でしょうか。
となると、母系が強いほうがより活躍するのでは、ということになります。
果たしてデルタブルースは来年の天皇賞・春で見事桜を咲かせるのでしょうか。
そしてもう1頭気になった走りを見せた馬、オペラシチー。
あの菊花賞で見せた最後にハナだけ抜けてコスモバルクを抑えたパフォーマンスは、
2000年、覇王道を歩んだテイエムオペラオーの、前年の有馬記念のパフォーマンスを彷彿とさせました。
ちょっとこの2頭に期待です。