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福井の競馬フリークたちの集う高級紳士倶楽部

みやっちとぐっさんの競馬鹿人生

昔、投稿天国でかな〜りマニアな競馬コラムを書いて、 かな〜りマニアな人のみにウケていた、『競馬のけ』の作者、“みやっち”。 そのコラムを通じて知り合うことになり、毎晩のように競馬談義に花を咲かせる お好み焼き屋、“ぐっさん”。 二人の「福井の隠れ競馬ファンと知り合って、競馬のロマンについて語り合いたい」という、 たったそれだけの想いで始まったこのサイト「競馬鹿人生」。 今夜も ぐっさんの店で競馬談義が始まった!





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総統閣下のわいわい競馬日記

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福井の競馬ファンに捧ぐ
みやっちの競馬鹿人生
第215話 「血のジレンマ」
(2011/5/26 PM7:00更新)

昔、投稿天国でかな〜りマニアな競馬コラムを書いて、かな〜りマニアな人のみにウケていた、『競馬のけ』の作者、“みやっち”。
そのコラムを通じて知り合うことになり、毎晩のように競馬談義に花を咲かせる、お好み焼き屋、“ぐっさん”。

二人の「福井の隠れ競馬ファンと知り合って、競馬のロマンについて語り合いたい」
という、たったそれだけの想いで始まったこのページ。
今夜も ぐっさんの店で競馬談義が始まった。


みやっちとぐっさんの競馬鹿人生 バナーです。リンクフリーです。動きます。

 

 


競馬鹿占い、作って見ました。予想に迷ったらドウゾ。

 

 

 

 


     

 

吉沢譲治先生の『血のジレンマ』、読了しました。

 

僕のバイブル

 

吉沢先生といえば、『競馬の血統学』で血統論を深く論じていた方。

血統に興味のある自分にとって、かなり感動を覚えた作品でした。

その後の『競馬の血統学2』も読了、

わかりやすくて、ドラマチックで、今の自分の仕事に、とても影響を与えてくれました。

 

 

その吉沢先生の最新刊。福井は競馬不毛の地ですので、そんなに並んではいません。

見つけるのにも苦労しました(汗)

大きい本屋さんに1冊だけあった『血のジレンマ』。

昨日買って、今日一気に読み終えてしまいました。

 

 

 

歴史はやっぱり繰り返した

 

『競馬の血統学』を読んで以来、ずっと思い続けている“血の袋小路”。

サンデーサイレンスが登場して、爆発的な威力で血統図が塗り変わっていった日本競馬。

『競馬の血統学』を読んでから数えて10数年、

今危惧しているのは“未来の日本競馬には、もう何も残らない”ということでした。

 

 

吉沢先生はずっと書き続けてきました。

「人間は同じ過ちを繰り返す」ということを。

エクリプス、

セントサイモン、

ハイペリオン、

ノーザンダンサー、

そしてサンデーサイレンス。

 

一つの“革命的な血”によって競馬全体の底上げがなされ、

人は皆、名誉とお金につられてその血に群がり続けてきました。

群がれば群がるほど、その血は増えていきます。

そうするとやがて訪れる、“血の袋小路”。

影響力が失われ、革命の血によって傍流に追いやられていた血が覚醒する。

競馬の歴史を紐解くと、ずっとこんな感じでした。

それが今、ライブで起きています。

 

 

ちょっと前もそうでした。

テスコボーイ系が走るからと、

世界中のプリンスリーギフト系を根こそぎ日本に連れてきて、

残ったのは日本にいる子孫だけ、というお話。

まぁ、欧米では必要なかった、と言われればそれまでですが。

 

 

 

親日派・サンデー

 

 

そんな感じの生涯でした。サンデーサイレンスも。

傍流血統、2流3流血統と蔑まれた母を持ち、

勢いに乗り始めたヘイローを配して生まれてきても、

アメリカ三冠の2つを獲っても、

観客からは“どん底から這い上がってきたヒーロー”と喝采を浴びても、

その後の大レースに勝って年度代表馬になっても、

 

 

 

 

アメリカの生産界では誰も見向きもしてくれないし、必要とされない血統でした。

 

 

 

 

 

ただ、ところ変わればうんにゃらかんにゃら……、というように、

日本での相性は抜群に良くて、

あっという間にサンデーサイレンス系が確立されました。

このポスターは日本でけい養されている種牡馬(お父さん馬)の表です。



サンデーサイレンスの仔だけで20%強ですよ!

でも、繁殖牝馬はこの20%のさらに数%の馬にしか群がらないから、

結局は毎年1万頭近く生まれる仔の多くがサンデーサイレンス系になるわけです。

 

 

 

でも、

あっという間に系統が確立すると、

あっという間に廃れるのは、歴史が示す通り。

 

 

じゃあ海外に連れていけばいいじゃん、と思いますが、

元々海外でいらん! と言われた血を、買うと思いますか?

日本という小さな島国でしか繁栄していない血を、欲しいと思いますか?

メンバーの口癖ではないですが、「1滴もいりません」状態。

 

 

 

でした、今年の春までは。

 

 

 

求められるかサンデー

 

 

東日本大震災の影響でかなり日陰の話になってしまいましたが、

今年の3月末、アラブのドバイで行なわれた世界最強馬決定戦・ドバイワールドカップで、

日本の馬がワンツーフィニッシュしたんです!

(ちょっと出来過ぎのきらいはあるにせよ……)

 


1着になったヴィクトワールピサ。

そのお父さんは皐月賞とダービーの2冠を制したネオユニヴァースでした。

そしてそのネオユニヴァースの父こそが、

 

 

サンデーサイレンスなのです。

 

 

それ以前にもサンデーサイレンスの仔や孫が海外レースを勝ったのはあります。

でも、そこまで海外のバイヤーさんはサンデーの血が欲しいとまではいかなかったようです。

 

ドバイシーマクラシック、香港ヴァーズを勝った、

サンデーサイレンスの息子、ステイゴールドがいました。



アメリカに渡ってアメリカンオークスを勝った、

サンデーサイレンスの仔・スペシャルウィークの娘、シーザリオがいました。

オーストラリア最高峰のレース・メルボルンカップを勝った、

サンデーサイレンスの仔・ダンスインザダークの息子、デルタブルースがいました。

もちろん、フランスにサンデー産駒は種牡馬として行きました。

そしてフランスで生まれた仔・ナタゴラは、イギリスでの大レース・1000ギニーを勝ちました。

他にも、オーストラリアや南アフリカにもサンデー産駒は行きました。

そこで生まれた仔・サンクラシークは、ドバイでの大レース・ドバイシーマクラシックを勝ちました。

 

 

でも! まだサンデーの血が喉から手が出るほど欲しいとは言ってくれませんでした。

 

 

 

そこにヴィクトワールピサのドバイワールドカップ優勝。

この出来過ぎの結果でどうなのかは、わかりませんが、

とにかく日本競馬が最高潮に盛り上がった日でしたし、

世界のホースマンが「もしかして、サンデーサイレンスって結構やるんじゃね?」と、

頭の片隅に思ってくれるきっかけとなった日でした。

 

 

 

駆逐される血と進化の狭間

 

 

もし、海外のバイヤーさんがサンデー系の種牡馬を持っていってくれたら、袋小路がしばらく避けられます。

でも、しばらく、です。

やっぱり袋小路は避けられない運命だと思います。

 

 

この、袋小路に至るまでに、日本では何が起きるのか。

それは、これまでの傍流血統を滅亡まで追いやってしまうことなんです。

日本競馬界ではずっと、内国産の種牡馬よりも海外種牡馬が上、と見ていました。

だから、

シンザン、

トウショウボーイ、

グリーングラス、

シンボリルドルフ、

イナリワン、

オグリキャップ、

ミホノブルボン、

メジロマックイーン、

トウカイテイオー、

などなど、日本競馬を彩ってきた、煌くようなサラブレッドたちも、

輸入種牡馬の勢いには勝てませんでした。

そこに、止めを刺すように現われたサンデーサイレンス。

もはや彼らに血を残す手立てはありませんでした。

 

 

 

競馬というのは、ブラッドスポーツとも呼ばれ、

血のロマンを掻き立てるような、

300年という歴史を紡いできたわけですよ。

その時々でドラマがあって、その時々で人に感動を与えてきたわけですよ。

だから、「あの息子かー」と、また応援したくなる。

それが脈々と続くから、競馬はずっと飽きないんです。

だけど、血の革命はそれすらも切り離してしまう。

 

一つの血統が栄えるということは、満遍なく分け合っていた血を粛清することになります。

いい牝馬が集まらなくて、その度に種牡馬成績も悪くなります。

悪くなれば人は見限ります。

 

そして血は絶えることになります。

 

たとえ栄えた血も、今は良くても、この日本から出ることがないから、

同じ血を持つ馬だけが増えていって、

そして滅亡します。

 

でも、滅亡を引き起こすための、これまで追いやった傍流血統も、

既に滅亡に追い込んでいたから、もういません。

そうなると、海外から違う血統を連れてくることになるわけです。

欧米での傾向を見て、相性のいい血統の馬が来て、実際にレースに出ることになります。

日本での相性も良かったら晴れて種牡馬に。

そして新しい血が日本に根付いていく、という図式になって、世界と肩を並べる生産国になっていく、

 

という図式、を描いているんだろうな、と感じます。

 

 

 

ロマン派からの一言

 

 

ただ。ただですよ。

果たして、世界に追い付いたことで、競馬ファンは本当に喜ぶんだろうか、と感じるわけです。

確かにドバイワールドカップでのワンツーフィニッシュは歴史的な快挙です。

でも、例えばの話ですが、それがメジロマックイーンの仔だったとしたら、どうだったでしょうか。

もっと盛り上がったと思うんですね。

それは、メジロアサマ―メジロティターン―メジロマックイーンと続いた歴史が上乗せされているからだと思うんです。

競馬はギャンブルでもありますが、

ファンは長く続く歴史のひとこまを思い出として大事に温め続けて生きていくのだと思います。

時には感動して涙したり、時には大声で応援したり、それがずっといつでもフラッシュバックして、

いい思い出になっていくのだと思います。

ギャンブルであってギャンブルではない。それが競馬。

心を投入するような血のロマンが見たいのです。

そこに、競艇、競輪、パチンコなどのほかのギャンブルとの決定的な違いがあると思うのです。

それを、輸入ばかりに頼っていたら、つながりもなければ、そのロマンさえもなくなります。

 

そして、他と同じようなギャンブルになってしまいます。

今がまさしくそうでしょう。売り上げは毎年のように右肩下がり。

同じような血の馬が同じようなレースをしていたら、個性もなにもあったものじゃない、という感じです。

本書でもサンデーサイレンスの功罪を論破しているので、あえてここでは書きませんが、

今年のダービー出走馬はサンデーの孫だけです。そんな時代です。

サンデーの時代が今、一番のピークに来ている証拠でしょう。

でも、ピークを過ぎてからの落下スピードはあっという間だと思います。

が、それを駆逐する傍流血統の馬がいません。

となると、外から持って来るしかないんです。

そんな馬が勝つことで、果たして競馬ファンは面白いと思うのかな、と不安になります。

競馬離れの一端はそこにあるのかも、とも考えます。

思い入れのない馬が勝っても、応援しきれないというか。

逆転のドラマに人は酔いしれるのに、酔う前に醒めてしまいます。

 

駆逐され、滅亡に追いやられた系統は、二度と復活することがありません。

先ほど挙げた名馬たちも、もう子孫は残っていません。

メジロ牧場の閉鎖、タップダンスシチーの種牡馬引退。

強い傍流を作るチャンスがあった馬はいなくなりました。

 

 


人間は同じ過ちを何度も繰り返します。

 

 

一競馬ファンができる微々たること

 

 

 

かといって、競馬は今や個人の趣味を越えて、ロマンも越えて、

ワールドワイドなビジネスに組み込まれています。

競馬の世界は一歩でも歩みを止めると、崩れていくこともわかります。

その強い覚悟、時に見せる非情さ、ただのファンでは窺い知ることの出来ないこともあります。

だから、この流れを止めることは出来ないですが、

一競馬ファンとして出来ることはあるかな、と思います。

 


POGです。

赤本も青本も黒本も、内容に大きな差はありません。

ダービー馬指名という目標のためには良血、とりわけサンデーが必要なのもわかります。

メディアもその流れに乗じて特集を組んだりもしています。

でも、思い入れのある在来血統の仔を一頭でも選んで、

陰ながら応援するということは出来るかな、と思います。(自分のように思い入れ過ぎるのはどうか、ですが…)

一競馬ファンの行動は、本当に微々たるものですが、

今のワールドワイドな投稿や呟きで波及していくのではないかな、と、考えるわけです。

それで繋がる経験もしました。

 

 

 

終わりの始まり

 

 

今の流れはあっという間です。キンカメに首位を奪われたことがその一端を示しています。

さらに強いサンデー系牝馬の台頭がそれを感じさせます。

 

あぁ、サンデー時代の終わりが始まったな、って。

 

この先、日本競馬がどんな進化を遂げていくかは誰もわかりません。

ただ、かつてのような熱い競馬の時代をリバイバルしていくのは、

社台でもなく、アラブでもなく、中国でもなく、

 

 

独自の競馬ファン文化を持った私たち日本人なのかもしれません。


ということを、『血のジレンマ』は考えさせてくれました。

必読書です。おススメです。一気に読めます。


長文乱文お許しをm(__)m

 

 


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