昔、投稿天国でかな〜りマニアな競馬コラムを書いて、 かな〜りマニアな人のみにウケていた、『競馬のけ』の作者、“みやっち”。 そのコラムを通じて知り合うことになり、毎晩のように競馬談義に花を咲かせる お好み焼き屋、“ぐっさん”。 二人の「福井の隠れ競馬ファンと知り合って、競馬のロマンについて語り合いたい」という、 たったそれだけの想いで始まったこのサイト「競馬鹿人生」。 今夜も ぐっさんの店で競馬談義が始まった!
福井の競馬ファンに捧ぐ
まさにマジックでした。 血統の限界なのか、それとも未来へのステップなのか。 彼が成し遂げたことにちょっと思ったことを書きました。 乱筆お許しを。
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まさに「豊マジック」。
「難解なG1はジョッキーで買え(by ヴァイデン)」というのは既に定説となりつつあります。
これで豊−ノリのG1ワンツーは12回目だとか。
しかししかし、彼の優勝で参った人もいるかもしれませんね。
「アグネスタキオン産駒は早熟で1勝後は勝ち上がらない」
という説は覆りそうな気がします。
“論理”だけでは馬券は成り立たない。
でも、“論理”通りに勝つことだってある。
“勝つ論理”こそが正義。NHKマイルカップ優勝のロジックです。
アグネスタキオン |
サンデーサイレンス |
Halo |
Hail to Reason |
Cosmah |
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Wishing Well |
Understanding |
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Mountain Flower |
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アグネスフローラ |
ロイヤルスキー |
Raja Baba |
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Coz o'Nijinsky |
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アグネスレディー |
リマンド |
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イコマエイカン |
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エイプリルドラマ |
サクラユタカオー |
テスコボーイ |
Princely Gift |
Suncourt |
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アンジェリカ |
ネヴァービート |
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スターハイネス |
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ファインドラマ |
シンザン |
ヒンドスタン |
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ハヤノボリ |
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スイートベリー |
トサミドリ |
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スイートヘレン |
実は、母父にサクラユタカオーを持つタキオン産駒の牡馬は
ロジック1頭のみ。
あとは牝馬。サクラローレルの母ローラローラの孫、サクラタキオン、
オークス馬ウメノファイバーを母に持つフィルドール。
しかしサクラタキオンは地方に、フィルドールは出走すらしていません。
さて、サクラユタカオーはPrincely Gift系。
ではPrincely Gift系を母父に持つタキオン産駒はというと……、
いません。そもそもPrincely Gift系で残っているのは数少ないですしね。
Princely Gift系というより、テスコボーイ系と言ったほうが
もういいかもしれません。それもユタカオー系。
サクラユタカオー−サクラバクシンオー−ショウナンカンプ、
サクラユタカオー−エアジハード、トゥナンテ(はキツいか……)
それくらい、テスコボーイ系は全滅に近い存在に。
キタノカチドキ、トウショウボーイ、ハギノカムイオー、
ミスターシービー、サクラユタカオー……。
日本競馬のスピード絶対値を確実に押し上げたテスコボーイ系。
もはや母系に押しやられそうな雰囲気の中、
サクラバクシンオーが一人気を吐いている状態です。
有り余るスピードは、新馬から確実にモノが違う。
けど、悲しいかなクラシックという伝統の距離には足りなさ過ぎる。
自分に足りないものを補完する柔軟性を、トレンド血統よりは持ち合わせていません。
そこで母系に入ってスピードを補完する役割を担うようになります。
しかししかし、母父サクラユタカオー産駒はこれまでに600頭以上もいたのに、
重賞勝ちとなるとたったの7頭。
ダイタクリーヴァ&バートラム兄弟にタガノバスティーユほか。
G1ともなれば、阪神ジュベナイルFのタムロチェリーと、
ロジックのみ。
で、ちょっと思った。
母父サクラユタカオー産駒と橋口調教師の関連性を(笑)。
橋口厩舎在籍(引退、現役)の、最近の母父ユタカオー産駒6頭(牡馬4頭、牝馬2頭)のうち、
サンデー系の牡馬は4頭。のうち、重賞勝ちが3頭。
リーヴァ&バートラム兄弟とロジック。
今回のロジックにしても、橋口調教師が牧場で惚れ込んで、
馬主さんに買っていただいたという逸材。
つまり、橋口厩舎に入るサンデー系×母父ユタカオー産駒は、
かなりの確率で走る、ということになる、……のかな(笑)
ちょっと面白い関連性があったので、横道に逸れてしまいました(笑)
で、ロジック。次走はダービーといいます。
「タキオン産駒で、それもダービーって……」
と思われがちですけど、ロジックが経済コースを走ったと言いますけど、
やっぱり母母父に入っているシンザンの血。
そしてそのさらに奥、トサミドリの血。
セントライトの半弟であり、日本競馬唯一の3兄弟皐月賞制覇という偉業の血。
日本競馬の歴史を垣間見る血統構成だったりします。
タキオン産駒はこれくらいおっもーい血を母系に持っているほうが、
実は成長に富むのかもしれません。
もしかしてこれがピーク、っていう話もありそうだけど……。
2003年のタキオン産駒148頭中、中央での1勝を上げたのは43頭。
しかし2勝目を挙げたのはわずか4頭。
そのうちの3頭にはかなりの血統が入っています。
ショウナンタキオンは母父トニービン、
母母父メジロゲッコウ(メジロの一大系譜の基礎であるメジロボサツの初仔)、
母母母父ネヴァービート、母系はアストニシメントに遡る在来牝系。
牝馬であるキープユアスマイルにしてみれば、
母父リアルシャダイ、母母父ナイスダンサー、母母母父セントクレスピン。
牝系があのシラオキ系、祖母のファーストラブの妹には、
後にあのスペシャルウィークを産むキャンペンガールがいます。
これからPOGでタキオン産駒を取るならば、母系に注目です。
「アグネスタキオン産駒は早熟で1勝後は勝ち上がらない」という“論理”を、
ロジックは突き破ったのかもしれません。